不憫さを確かめる日記 23

中学一年生の頃の話。

小学校を卒業して、中学に入学するまでの春休みの間、母方の実家に父親を除く4人で帰省していた。東京に帰ってから、翌日の仕事のために早く寝た母親の分の荷物を勝手に私が片付けていると、キャリーバッグのポケットから、空欄の離婚届が出てきた。卒業して間もない頃の私はまだ、そこまで父親のことを拒絶していなかった。まだ色々なことを知らなかったからだ。そのため両親が離婚するというのは、つらいことに思えた。いつから間違ってたんだろう、とか、私がもっといい子にしていればこんな風にはならなかったのかなというどうしようもない思考が私を支配して、その日はお風呂場で嗚咽を漏らすほど泣いた。「離婚するかもしれない」ということを知っているのは私だけだった。姉と弟には言わなかった。その日から、いつも私の頭の片隅には「離婚」という文字が居座っていた。