2023-09-22から1日間の記事一覧

不憫さを確かめる日記 24

中学一年生の冬ごろの話。 それまで10年ほど住んでいた都営アパートはとっくに契約の期限を過ぎており、引っ越さなければいけなかった。父親が主となって引越し先を決めた。離婚をするならこのタイミングがベストだと私は思っていたが、母親は片親の経済力で…

不憫さを確かめる日記 23

中学一年生の頃の話。 小学校を卒業して、中学に入学するまでの春休みの間、母方の実家に父親を除く4人で帰省していた。東京に帰ってから、翌日の仕事のために早く寝た母親の分の荷物を勝手に私が片付けていると、キャリーバッグのポケットから、空欄の離婚…

不憫さを確かめる日記 22

中学一年生の頃の話。 当時、テレビで流れる積水ハウスのCMが本当に嫌いだった。夜ご飯の間、父親がいるときは沈黙を紛らわすためにいつもテレビの音量を上げていたのだが、そこに「世間で理想とされる家族関係」と、「広くてきれいな家に住めるような経済力…

不憫さを確かめる日記 21

小学生の頃の話。 自分の苗字の漢字が変わった。画数の多い旧字に変わったのだ。なぜそうなったのかは当時知らなかったが、実際のところはこうだ。母親が弟を産んだとき、病院で『簡単な方の漢字にしますか?そちらのほうがこの先大変な思いをしなくていいと…

不憫さを確かめる日記 20

中学生の頃の話。 その頃から、誕生日と、母の日、父の日は毎年地獄だった。父親の方針で夜ご飯は必ず家族みんなで食べないと許されなかったが、とりわけ誕生日や母の日父の日は、特別なことをしないといけなかったから、地獄だった。特に誕生日はつらかった…

不憫さを確かめる日記 19

小学校低学年ごろの話。 姉がバレンタインでクッキーを作っていたのが羨ましかったのでお手伝いをさせてもらっていた。その際、姉は『こぼしたりしないでね』と私に釘を刺したが、私は手伝いを始めてすぐに、ボウルの中の粉を混ぜるときに盛大にこぼしてしま…

不憫さを確かめる日記 18

中学一年生の頃の話。 その頃すでに会話のほとんどなかった両親が喧嘩しているところを目撃する。私が学校に行く前の朝、部屋で支度をしていると、リビングから怒鳴り声が聞こえてきた。どうやら母親は、父親が買ってきた "(その頃流行っていた)頭皮に沿わせ…

不憫さを確かめる日記 17

小学校高学年くらいの話。 私が小学一年生の頃までは、母親は専業主婦をやっていた。しかし、小学二年生になった頃からは母親が仕事をするようになり、私の家庭は共働きとなった。私は、母親が父方の祖母からひどい扱いを受けているのをこっそり知っていたし…

不憫さを確かめる日記 16

小学五、六年生の頃の話。 クラス内で、窃盗事件が多発した。最初はクラスの半分の人間の名札が一斉に盗まれ、後日、学校から少し離れた野球グラウンドの花壇に埋められているのが発見された。その次はクラスの3分の1ほどの歯ブラシが盗まれ、その後は特定の…

不憫さを確かめる日記 15

小学五年生の頃の話。 私が通っていた小学校は生徒数が少なく、当時は1学年につき1クラスしかなかった。そのためクラス替えという概念がなく、一年生から六年生になるまで同じクラスメイトで過ごすのが普通とされる学校だった。 そんな中、そこそこ仲のよか…

不憫さを確かめる日記 14

小学校高学年の頃の話。 姉の古いスマホを借りたとき、ふと好奇心からメールアプリを見てみたことがあった。そこにはどうしてか"父方の祖母"と母親とのやりとりがあった。見てみると、祖母から母親に対するひどい言葉が並んでいた。あまり詳細までは覚えてい…

不憫さを確かめる日記 13

小学四年生の頃の話。 担任の若い男が紛れもなくカスだった。 カスエピソード1 1時間目の体育の授業でクラスの誰かが怒られたためにその説教が全体に向けられ、給食になるまでの4時間(四時間‼︎)校庭で体育座りをしたままクラス全員で説教を受けたことがある…

不憫さを確かめる日記 12

小学生の頃の話。 体育の授業で私が割り当てられたグループが、3回連続で最下位になっていた。自分の圧倒的な陰気臭さと、コミュニケーションの少なさだったがそうさせたのだと思えてならない。スポーツというものにまるで向いていないのだ。

不憫さを確かめる日記 11

小学校低学年の頃の話。 図工の時間、近所の風景写真を写生する授業内容だった。はじめに細いボールペンで下書きをして、次に絵の具で塗る手順だった。私はボールペンで、団地の窓を真四角くに描いていた。すると当時の図工の女の先生に、『建物が向こうに向…

不憫さを確かめる日記 10

小学二年生ごろの話。 水泳の授業が本当に苦手だった。心配性の自分は、より水泳というものに向いていなかったのである。背も低かったせいで、特に足がつかないところを泳ぐのが苦手だった。溺れて息ができなくなる事を考えると焦ってしまって、余計に呼吸が…

不憫さを確かめる日記 9

小学二年生の頃の話。 ある日の放課後、「明日家に誰もいない時間に地震が起きて、ハル(飼い猫)が家具に潰されて死んじゃったらどうしよう」とひとりで不安になり、心配で号泣してしまった。母親に泣きながらそれを訴えると、『ハルは賢いから家具が倒れてき…