不憫さを確かめる日記 21

小学生の頃の話。

自分の苗字の漢字が変わった。画数の多い旧字に変わったのだ。なぜそうなったのかは当時知らなかったが、実際のところはこうだ。母親が弟を産んだとき、病院で『簡単な方の漢字にしますか?そちらのほうがこの先大変な思いをしなくていいと思いますよ。』と言われ、何気なく、旧字ではなく簡単な方の漢字にしたのだった。しかし、父方の祖父母が(なぜか勝手に)戸籍を取り寄せたとき、『どうしてこっちの漢字になっているんだ‼️』と激昂したらしい。父方の祖父母は、父方の苗字を私たち子供に継承させて残したいらしい。先祖代々のあれがうんたらとか言って、母親に文句を言った。その頃は家のポストによく家庭裁判所から通知が来ていた。なんて面倒な人たちなんだと思った。そんな表皮的な形式ばかりを気にして何になるのだろうと思った。やはり父や父方の祖父母は、私たちを所有物としか思っていないのである。いつも考えるのは人の気持ちではなく、自分の損得感情なのだ。当時は分からなかったが、私はずっとそういうところが嫌いだった。