不憫さを確かめる日記 20

中学生の頃の話。

その頃から、誕生日と、母の日、父の日は毎年地獄だった。父親の方針で夜ご飯は必ず家族みんなで食べないと許されなかったが、とりわけ誕生日や母の日父の日は、特別なことをしないといけなかったから、地獄だった。特に誕生日はつらかった。父親が食卓にいるだけで憂鬱なのに、父親の前で楽しいフリをしたり、盛り上がるフリをしないといけないからだ。父親さえいなければ素直にリアクションができるのに、父親がいるだけでそれがとても憂鬱なことに変わり、何をするにも躊躇われた。自分が喜んでいるところや、楽しそうなところを父親に見られたくなかったのだ。姉は両親の間で中立の立場でいようと努めていてくれて、よく父親の機嫌を取っていたが、私と弟は父親を拒絶し始めていた。地味に嫌なのが "いい夫婦の日"だ。朝学校に行く前にテレビをつけると、否応なく道ゆく仲のいい夫婦のインタビューばかりが写し出されて、最悪の気分になった。その頃から、うちの家庭はどこから間違っていたんだろう、と考えるようになっていた。