不憫さを確かめる日記 18

中学一年生の頃の話。

その頃すでに会話のほとんどなかった両親が喧嘩しているところを目撃する。私が学校に行く前の朝、部屋で支度をしていると、リビングから怒鳴り声が聞こえてきた。どうやら母親は、父親が買ってきた "(その頃流行っていた)頭皮に沿わせて使うとゾクゾクして面白いやつ(スカルプマッサージャー)" を見て、「こんなもの買うお金あるんだったらもっと家のこと考えてよ」と溜まりに溜まった不満をこぼした。そこから父親が怒鳴り、喧嘩が始まった。私の記憶にある両親の喧嘩はこれが最初で最後である。この喧嘩がきっかけで、ますます距離は離れていった。母親がさまざまなことを諦めたのであろう。その日の放課後、母親からLINEで「今朝は嫌なもの聞かせてごめんね」と来た。私は無理しないでねと絵文字付きで送った。その日は気が重かった。