不憫さを確かめる日記 8

小学一年生のときの話。

新しく新任したカウンセラーの男の人と、生徒は一度面談しなければいけなかった。その男は、学校のおたよりの自己紹介の欄に「好きなもの:妖怪ウォッチ」と書いて、子どもの注目を集めていた。私はその浅はかな計らいから、その男に苦手意識を持っていた。面談で、『もし100万円があったら何をしたいか』と聞かれた。他の生徒にも同じ質問をしていたと思う。私は当時、築の古い都営アパートに住んでいて、それをコンプレックスに思っていた。お風呂は銀色だし、一階のロビーもエレベーターも古くて汚かった。みんなが綺麗で立派なマンションに帰って行くことが羨ましかった。だから私は「家が欲しいです」と答えた。するとその男は『100万円で?!w 』と大きな声を出して下品に笑った。私は恥ずかしくて顔が熱くなって、言葉が出なくなった。私はその後、「…引っ越しがしたいです…。」とだけ言って終わった。教室に戻るまでの間に、涙が出た。