2023-09-21から1日間の記事一覧

不憫さを確かめる日記 8

小学一年生のときの話。 新しく新任したカウンセラーの男の人と、生徒は一度面談しなければいけなかった。その男は、学校のおたよりの自己紹介の欄に「好きなもの:妖怪ウォッチ」と書いて、子どもの注目を集めていた。私はその浅はかな計らいから、その男に…

不憫さを確かめる日記 7

小学一年生のときの話。 学校に行くといつもどうしてか気分が悪くなって、保健室に通っていた。寝ても良くならないから、母親に迎えに来てもらって、よく早退していた。いつも、近くのコープでおにぎりを買って帰った。家に帰ると、学校にいたときとは一変し…

不憫さを確かめる日記 6

小学一年生の頃の記憶。 まだ入学して間もなかった頃、その日は入学してから初めて雨が降った日だった。毎日姉と一緒に登校していた私だったが、「雨が降る」という "いつもと違うこと" が起きているのが不安で、家から出ることができず泣き出してしまった。…

不憫さを確かめる日記 5

幼稚園生の頃の記憶。 「今日は父の日なので、お父さんの似顔絵を描いてプレゼントしましょう」という園の指示があった。画用紙にクレヨンで描くのだが、私は父親の髪の毛や髭をなぜかこだわって、一本一本ていねいに描いていた。しかし、家に帰ってから意気…

不憫さを確かめる日記 4

幼稚園生の頃の記憶。 これから出かけるという母親に、その頃よくCMで流れていた、たまごっちのピンク色のケータイ電話のおもちゃ(たまともケータイ)を、「買ってきてねー!」と冗談で笑いながら軽く言ったら、ほんとに買って帰ってきてくれて、ひどく驚いた…

不憫さを確かめる日記 3

幼稚園の頃の記憶。 園の友達と、そのお母さんが家に遊びに来た。その子が履いてきた靴にはきれいな水色の宝石がついていて、お姫様みたいだった。低めにつくられた子ども用のヒールは、その頃の私にとってはすごく大人びて見えて羨ましかった。でもうちには…

不憫さを確かめる日記 2

おそらく幼稚園生の頃の記憶。 大きな虹色のうずまきキャンディを買ってもらえたことが嬉しくて、「写真撮って〜!」と母親にねだった。しかし何か大事な作業をしている最中だったので、母親からは薄い返事しか返ってこなかった。私が何度も何度もしつこくね…

不憫さを確かめる日記 1

おそらく幼稚園生の頃の記憶。 ある日の夜、姉と母親の三人で、写真にラクガキができるWiiの内蔵ソフトで遊んでいた。しばらくの間姉がWiiリモコンを独占していたので、「ゆづもやりたい!!」と私は駄々をこねていた。しかし母は「もう夜遅いから寝なさい」…